人類滅亡の日

Updated on 2020年3月27日 in 科学
0 on 2020年3月27日

人類滅亡の日

 

七四〇〇〇年前に起こった巨大噴火で人類が三〇〇〇人まで減りました。ミトコンドリアのディエヌエー遺伝子が伝える絶滅寸前の人類の証です。平均気温が十度下がりました。樹木の半分は死に絶えました。遡ることその指標は十八分の一の時間。出発点は縄文時代や弥生時代。硫酸エアゾールが何年も大気の中に漂っていました。僕はお釈迦様に何度も人生のことを伝え数珠つなぎになった魂をお見せしました。男も女も老若男女も次第に手を合わせてお祈りする日です。西からやってくる爆風が僕の優しいお祈りの時間を奪っていきました。飢饉の人には殺し合い幸せの時には海を見ていいことばかりを考えました。黄色は嬉しいお坊様にお礼をする日。緑色は悲しく看護婦さんに悪態をつく時。雨がはじめて地球上に降りました。僕たちは音楽を鳴らしてみんなもろとも楽しみました。面倒臭いことが始まります。人類滅亡の日。

 

三十六億年の命こそ朝の女

旅に出て味噌汁の具に空気読む

 

美しく咲く菜の花に地蔵顔

 

 

 

二〇二〇年二月二十九日 玄宗庵にて

子平

 

 

<縦書き>

https://haibun.gardening.co.jp/wp-content/uploads/2020/03/人類滅亡.pdf

 
  • Liked by
Reply