蕪村の俳文と俳画

Updated on 2020年3月7日 in 総論
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蕪村の俳文と俳画について考えた。

春風馬堤曲と夜色楼台図、おくのほそ道の俳画についてである。
春風馬堤曲は、余一日問耆老於故園。渡澱水過馬堤。余一日、耆老を故園に問う。澱水を渡り馬堤を過ぐ。で始まり題曰春風馬堤曲。題して春風馬堤曲と曰う。までは導入部として書き始めたこの作品、つづいて十八種の歌曲、すなわち漢詩、漢詩の読み下し文、俳句、詞書によって構成され、最後は、君見ずや故人大祇が句 藪入りの寝るやひとりの親の側 で終わる。
私は、この作品に私たちが現代の俳文へ近づくヒントを得ることができた。

すなわち、導入部の詞書、現代詩、俳句によって全体の構成をある種の緊張感、ある種の均衡関係を作り上げることで、現代の俳文がいかにあるべきかを実践することができるというものである。

方や夜食楼台図、おくのほそ道の俳画は、俳文に加えることで一つの世界を作り上げることができるという楽しみ、新たな世界へ作者、及び読み手を導くことができるというものである。

現代の俳文は、詞書、現代詩の要素、俳句、俳画によって実作者と読み手を満足することができる。

 
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